ドイツは、豊かな文化、高い生活水準、そして充実した社会保障制度で知られるヨーロッパの国です。
近年、ドイツでの看護師の需要が高まっており、海外から看護師として移住する人が増えています。
この記事では、ドイツで看護師として働くことを検討している人に向けて、給与、税金、社会保障制度、生活コストに関する情報を詳細に紹介します。
もしドイツや海外での生活を夢見ているのなら、現在の職場から言語習得や現地看護学校への入学を目指せる勉強をしなくてはいけません。
そのため勉強しやすいように病棟看護師ではなく、施設看護師や訪問看護師など比較的時間を作りやすい職場への転職をおすすめします。
具体的な手順としては、看護師転職サイトに登録の上で、「海外で働きたいと考えているので勉強しやすい求人を探してほしい」と依頼してキャリアアドバイザーと一緒に勉強をしやすい環境の求人へ転職するのがよいでしょう。
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ここからはドイツの看護師の給料事情や現地での資格取得方法、言語取得の方法をまとめて解説していきますね。
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ドイツの看護師の年収は約500万円！
ドイツの看護師の年収は、経験や勤務地、職種によって異なりますが、平均すると約500万円です。これは、日本の看護師の年収約400万円よりも高い水準です。
ドイツでは、看護師の給料が仕事内容に比べて安いと感じられることがあり、特に東ドイツでは給料が比較的少なく、地域によって経済格差が見られます。
具体的な時給としては、ポツダムの大学病院で看護助手として働いた場合約10ユーロ（約1,300円）、ミュンヘンの地方病院で新米看護師としては約17〜18ユーロ（約2,200〜2,300円）程度とされています。
これらの情報から、ドイツの看護師の収入は住む地域や勤務する病院によって大きく変わることがわかります。
ドイツで看護師をするなら知っておくべき税金と社会保障制度
ドイツでは、所得税と連帯税の2種類の税金が課税されます。所得税は累進課税で、収入に応じて税率が異なります。連帯税は、所得税に上乗せされる5.5％の税金です。
社会保障制度は、国民皆保険制度と国民年金制度の2つがあります。国民皆保険制度は、病気や怪我をした際に医療費を負担してくれる制度です。国民年金制度は、老後に年金を受け取ることができる制度です。
ドイツでは、看護師の給料から税金が引かれ、手取りはさらに少なくなります。
例えば、看護助手時代の給料でBrutto（税引き前）1600ユーロがNetto（手取り）1200ユーロ、現在の給料でBrutto2800ユーロがNetto2100ユーロとなっています。
ドイツの税金は累進課税であり、稼ぐほど税率が高くなります。
また、ドイツでは社会保障が充実しており、高い税金が教育補助や医療保障に反映されています。クリスマス前にはクリスマスボーナスが支給されることもありますが、一般的な夏冬のボーナスは存在しません。
ドイツの生活コストと生活水準
ドイツの生活コストは、日本よりも高い傾向があります。特に、食費と住居費は、日本よりも高くなります。しかし、ドイツの生活水準は、日本よりも高く、社会福祉制度が充実しているので、安心して生活することができます。
ミュンヘンのような都市では、1人用の部屋の家賃が月800ユーロ（約10万円）程度で、比較的高いとされています。
しかし、食品などの日用品は安価で、生活費は家賃を除けば1人で月に約300ユーロ（約4万円）程度となります。
外食は比較的高価ですが、自炊を基本とした生活では、そこまで高い生活費を要するわけではありません。
ドイツでの平均的な年収はドイツ人の平均が約49,000ユーロ（約630万円）、ドイツ企業に勤める日本人の平均年収は約52,750ユーロ（約680万円）で、ドイツ語が話せるか否かで給与に差が出ることも指摘されています。
ドイツでの生活は、外食を控え自炊を基本とすれば、独身であれば月10～15万円、家族持ちで都市部に住んでもそれほど高額な生活費はかからないとされています。
ドイツ以外の海外の5つの看護師の給料事情
ドイツ以外の海外の看護師の給料事情は次のとおりです。
- ノルウェー：約840万円(月額約72万ノルウェークローネ）
- スウェーデン：1～3年の経験: 約465万円(380,301スウェーデンクローナ)、8年以上の経験: 約812万円(664,027スウェーデンクローナ)
- オランダ：約54万円～68万円(月額約4,000ユーロ～5,000ユーロ )
- ドイツ：400万円～500万円(時給1300円～2300円【17〜18ユーロ】と開きあり)
- マレーシア：新卒看護師:約7万5千円～約10万5千円( 月額RM 2,500～RM 3,500)、経験10年以上: 約18万円～約30万円(月額RM 6,000～RM 10,000)
それぞれの詳しい内容や、それぞれの国での看護師資格の取り方、なり方は次の記事で解説しています。
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ドイツで日本の看護師国家資格は使える？【結論：使えません】
残念ながら、日本の看護師国家資格はドイツでは使えません。ドイツで看護師として働くためには、ドイツの看護師国家資格を取得する必要があります。
ドイツで看護師として働くには、ドイツの医療システムと基準に準拠した資格が必要となります。
またドイツ語の習得や、場合によっては追加の教育や研修が必要となることがあります。
ドイツ語の習得！ドイツで看護師をするときの語学レベルは？
ドイツで看護師として働くためには、ドイツ語の語学能力が必要です。
ドイツの看護師国家試験を受けるためには、B2レベルのドイツ語能力が必要です。
B2レベルとは、日常生活や仕事で必要なドイツ語をある程度理解し、話すことができるレベルです。
医療現場でのコミュニケーション、患者とのやり取り、医療文書の理解など、専門的なドイツ語が必要となるため、通常はB2レベル以上の語学力が推奨されます。
一部の病院や医療施設では、C1レベルの語学能力を求める場合もあります。このため、ドイツで看護師として働く希望がある場合、ドイツ語の習得は必須のステップとなります。
ドイツ看護師国家試験への合格！
ドイツで看護師として認定されるには、ドイツ看護師国家試験に合格する必要があります。
ドイツの看護師国家試験は、筆記試験と実技試験で構成されています。
筆記試験は、ドイツ語、看護学、医学に関する知識が問われます。実技試験は、患者への看護技術が問われます。
この試験は、ドイツの医療基準と看護実践に関する深い知識を要求し、ドイツ語で行われます。
試験の内容には、理論試験、実技試験、口頭試験が含まれることがあり、ドイツの医療制度や看護実践に関する広範な知識を証明する必要があります。
外国の看護師がこの試験に挑戦する前には、通常、ドイツの医療制度に関する追加の教育や研修を受けることが推奨されます。
ドイツで看護師になる方法・働く方法は？6つのステップが必要！
ドイツで看護師として働くためには、いくつかの重要なステップを踏む必要があります。以下は、ドイツで看護師になるための基本的なプロセスを概説したものです。
1. ドイツ語を習得する
ドイツで看護師として働くには、まずドイツ語の習得が必須です。ドイツの看護師国家試験を受けるためには、B2レベルのドイツ語能力が必要です。B2レベルとは、日常生活や仕事で必要なドイツ語をある程度理解し、話すことができるレベルです。
ドイツでの医療現場では、ドイツ語の高いレベルの理解とコミュニケーション能力が求められます。
通常、B2レベル以上のドイツ語能力が必要とされ、一部の場合はC1レベルが要求されることもあります。ドイツ語の習得は、ドイツで看護師として働くための最初の大きなステップです。
2. ビザを取得する
ドイツで看護師として働くためには、就労ビザが必要です。就労ビザを取得するには、ドイツの大学や専門学校で学位を取得するか、ドイツ企業から雇用契約書を得る必要があります。
非EU国籍者がドイツで働くためには、適切なワークビザまたはブルーカードEUが必要です。これらのビザを申請するには、職を得ていること、または特定の職業資格を有していることが前提条件となります。
3. 現地の看護師資格が取れる学校へ入学する
ドイツで看護師になるためには、ドイツ語の習得に始まり、看護師資格を取得するための3年間の専門教育が必要です。このプロセスは主に二つの方法があります。
一つ目は、ドイツで3年間のAusbildung（アウスビルドゥング、職業訓練）を受ける方法。
二つ目は、日本で既に看護師資格を取得している場合にドイツの資格に認定（Anerkennung）させる方法です。
- ドイツ語の習得: ドイツで看護師として働くためには、B2レベル以上のドイツ語能力が求められます。このレベルに到達するためには、週20時間のコースを数ヶ月間受講する必要があるでしょう。
- ビザの取得: 留学や職業訓練のためには、適切なビザが必要になります。職業訓練プログラムに参加する前に、ドイツ語の語学コースを受講するための学生ビザや、職業訓練開始後は職業訓練ビザへの切り替えが必要になる場合があります。
- 専門教育の受講: 看護師資格を取得するためには、3年間の専門教育（Ausbildung）が必要です。この教育は病院、診療所、老人ホームなどでの実務訓練を含みます。この期間中は給与を得ながら実務経験を積むことができ、さまざまな介護施設での実務経験を通じて、ジェネラリストとしての能力を養います。
- Anerkennungの申請: 日本で看護師資格をすでに取得している場合、ドイツでの資格認定のためにAnerkennungのプロセスを経る必要があります。このプロセスは州によって異なるため、具体的な申請基準や方法を把握することが重要です。
- 職場での実践: 資格取得後、ドイツの医療機関や介護施設での実務を通じて、看護師としてのキャリアをスタートさせます。ドイツでは法改正により職業の名前や内容が変わることがあり、多様な背景を持つ専門職と共に働くことになります。
ドイツで看護師になるためには、ドイツ語の習得から始まり、適切な教育プログラムの選択、資格の認定まで、多くのステップを踏む必要があります。それぞれのステップには異なる要件や準備が必要であり、成功するためには情報収集と計画が鍵となります。
4. ドイツの看護師資格を取得する
看護師養成学校を卒業後、ドイツ看護師国家試験に合格する必要があります。国家試験は、筆記試験と実技試験で構成されています。
5. ドイツの現地で就職活動をする
国家試験合格後、ドイツの病院や介護施設で就職活動を行います。
多くの病院や医療機関ではドイツ語の能力と専門知識を重視しています。また、ドイツでは医療分野の人材不足が指摘されているため、資格さえあれば比較的就職の機会は豊富です。
6. 晴れてドイツの看護師として就職する
適切な職を見つけて契約を結べば、正式にドイツの看護師として働くことができます。ドイツでの看護師としてのキャリアは、質の高い医療サービスを提供すると共に、自身の専門性をさらに発展させる絶好の機会となります。
ドイツで看護師として働くメリット
- 高い給与
- 充実した社会保障制度
- 高い生活水準
- ワークライフバランス
ドイツで看護師として働くデメリット
- 高い生活コスト
- 厳しい語学試験
- 医療制度の違い
- 文化の違い
【まとめ】ドイツの看護師の年収は約500万円
ドイツの看護師の年収は、経験や勤務地、職種によって異なりますが、平均すると約500万円です。これは、日本の看護師の年収約400万円よりも高い水準です。
ドイツで看護師として働くための条件
- ドイツ語の語学試験に合格する
- ドイツの看護師免許を取得する
- ドイツの病院や介護施設で就職する
ドイツで看護師として働くことは、高い給与と充実した生活水準を得られるというメリットがあります。
しかし、高い生活コストや厳しい語学試験などのデメリットもあります。ドイツで看護師として働くことを検討している方は、メリットとデメリットをよく理解した上で、準備を進めることをおすすめします。
もしドイツや海外での生活を夢見ているのなら、現在の職場から言語習得や現地看護学校への入学を目指せる勉強をしなくてはいけません。
そのため勉強しやすいように病棟看護師ではなく、施設看護師や訪問看護師など比較的時間を作りやすい職場への転職をおすすめします。
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オランダ看護師資格取得までの道のり！5つのステップで分かりやすく解説
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参考資料
- 世界の看護師の年収｜ コラム – 名古屋市の訪問看護ステーション Footage: https://footage.nagoya/column/1469/
- ドイツで看護師の国家資格を目指そう！職業訓練留学『費用は日本の1/5』: https://affinity-germany.jp/recommendation/vocational_nurse/